生活介護とは?利用条件と費用等気になることを解説

障がい者施設のキホン 生活介護

生活介護とは、日常生活の介護から生産活動、生産活動について受けることができるサービスのことです。

この記事では、生活介護の法律での定義、利用条件、費用など、気になる事について詳しく解説します。生活介護を利用したいと思っている方は、参考にしてみてくださいね。

生活介護とは


生活介護の法律定義


生活介護は障害者総合支援法に基づくもので、
「障害者支援施設等で、入浴、排泄、及び食事等の介護、創作的活動又は生活活動の機会の提供その他必要な援助を要する障害者で、常時介護を要する者に、主として昼間に、入浴、排泄及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動又は生活活動の機会の提供、その他の身体的機能又は生活活動のために必要な援助を行う」
と定義されています。

生活介護は、日中活動が充実することを目的としたサービス

生活介護のサービスにはどのようなものがある?


生活介護サービスでは、主に日中、障害者支援施設などで以下のようなサービスを受けることができます。

1.食事、入浴、着替え、排泄などの介護
2.調理、洗濯、掃除等の家事援助
3.創作的活動、及び生産活動のサポート
4.身体機能、もしくは生活能力の向上のために必要な支援などの提供
5.生活等に関する相談、助言
6.その他の日常生活上の支援
7.日常生活上の相談や支援

生活介護は、日常生活上の介護だけでなく、「生産活動や創作的活動の機会を提供する」ことが特徴です。

障害者がさまざまな活動に取り組むことで、社会参加へとつなげることができます。

生産活動、創作活動ってどんなことをするの?


生産活動、創作活動として行われるのは、
・パンやクッキーなどの製造
・手芸などでの製作
・企業から受けた内職
・趣味活動
・体操、散歩
など多様なものがあります。

生活介護の利用対象者の条件


生活介護サービスを利用できるのは、
①身体障害、知的障害、精神障害にかかわらず常に介護が必要な障害支援区分3以上の方
②施設入所の場合は、障害支援区分4以上の方
(4以下の場合でも、市町村から利用の組み合わせが必要とされた場合は対象)
③年齢が50歳以上の場合は、障害支援区分2以上の方

生活介護サービスは、18歳未満の障害児の利用はできません。

実際に生活介護サービスを利用しているのは、身体障害、知的障害、精神障害の方です。
それぞれ障害の種類や程度によって、本人に適したサービスを受けることができます。

こんな方におすすめ!生活介護のメリット



生活上のさまざまなケアを受けることができる


常に介護を必要とする障害者が、食事や入浴、排せつなどの介護や、助言を受けることができます。

利用者の生きがいつくりになる


生活活動では、生産活動や創作活動などを行い個人の生きがいをつくることができます。

自立へとつなげることができる


生活活動では、生産活動や創作活動の支援も受けられることで、生活意欲が向上し自立に向けた自信がつきます。

家族の介護負担が軽減される


生活介護では、日中にサービスを受けることができるため家族の介護負担が軽減されます。
家族のリフレッシュのためにも、生活介護を受けるメリットは大きいでしょう。

生活介護で気になること


実際に生活介護を利用する上で、気になる点を解説します。

必要な費用は?



生活介護では、利用定員や障害程度区分によって変わる基本サービス費、その他送迎や福祉専門職院配置等加算などがかかる場合があります。

障害者福祉サービスでの生活介護は、原則として利用者が1割を負担し、残りの9割は市町村が負担します。
世帯の所得に応じて負担の上限度が設定されており、それ以上の負担がかかることはありません。

ひと月の利用者の負担は、低所得者は無料~一定以上の所得がある場合は37200円までと設定されています。

また、生活介護サービス費用以外の食費などは、利用者の実費負担となります。

事業を行っているのはどんなところ?


生活介護事業を行うには、医療法人、社会福祉法人、株式会社、合同会社、NPO法人など法人である必要があります。

どんなスタッフがいる?


生活介護を行う事業所には、管理者、医師、看護職員、理学療法士または作業療法士、生活支援員、サービス管理責任者などがいます。それぞれ事業規模によって配置人数が設定されています。

管理者は医師であることと、事業所ごとに配置されることなどの規定があります。

利用者の状況に合わせて、主治医が必要と判断した場合に理学療法、作業療法、言語療法、心理発達検査など施設によって受けることができます。

生活介護はどうやって利用したらいい?


生活介護を利用したい場合の手続きについてご紹介します。

生活介護を利用するためには以下の手続きを行う必要があります。
手続き完了には最大2か月程度かかる場合がありますので、早め早めに対応していった方がよいでしょう。

①相談、申請をする
最寄りの市町村の障害サービス窓口や相談支援事業所に相談し、サービスを受ける申請を行います。

②障害程度区分の判定を受ける
市町村から現在の生活や障害、利用している福祉サービスについて調査があります。この調査結果から、審査・判定が行われ、福祉サービスがどのくらい必要なのか示した障害程度区分が決定されます。

③認定結果通知
認定結果が自宅に郵送されます。

④生活介護利用開始
生活介護が必要と認定された場合、相談支援事業所と共にサービス等利用計画書を作成し生活介護サービスを開始できるようになります。

生活介護の場合は、通常6か月ごとのモニタリングで、本人の状態の確認が行われます。

障害者支援区分には、3か月から3年の期間内で有効期間が定められています。継続して支給を受けたい場合は、指定特定相談支援事業者が作成したサービス等利用計画案を提出し、支給決定を再度受ける必要があります。

また、療養介護利用中事業所から1年ごとのモニタリングを受け、利用計画の見直しが行われます。支給決定の更新も、それに基づき行われることとなります。

生活介護事業所の探し方


生活介護事業所を探すには、お住まいの市町村の障害福祉課の窓口や相談支援事業所に相談するとよいでしょう。

事業所一覧やパンフレットを利用して、受けたいサービスについて教えてくれたりします。
また、障害福祉サービスの情報サイトから検索するなどして、直接事業所に問い合わせをする方法もあります。

生活介護を選ぶポイント




生活介護事業所を選ぶ際は、その事業所の設備や特色、理念などを確認するとよいでしょう。
生活活動は、日中活動が活発になることを目的としたもので事業所によって活動内容や雰囲気も変わってきます。

実際の雰囲気を知っておくのもよい方法ですので、見学や体験が可能であるか事業所に問い合わせてみましょう。
送迎をしてもらえるか、食事はどのようなものかも確認できると安心です。

専門的にどのようなサービスが受けられるのか、また事業所の雰囲気やスタッフの関係はどうなのか、など実際に事業所を訪問して確認するとよいでしょう。

さらに、事業所にある他の社会福祉サービスに何があるかも確認しておくとよいでしょう。
福祉サービスが充実している事業所であれば、他に困ったことがあった場合でも適したサービスを紹介してくれます。


今回ご紹介した情報を参考に、利用者と家族が充実した生活を送ることができる支援をしてくれる生活介護を選んでいただければ幸いです。