施設入所支援とは?利用条件と費用等気になることを解説

障がい者施設のキホン 施設入所支援

施設入所支援とは、24時間体制の施設に入所して夜間に食事、入浴、排泄などの介護や日常生活の相談支援を受けることができるサービスです。夜間介護が必要で、通所が難しい障害者が利用できます。

この記事では、施設入所支援の法律での定義、利用条件、費用など、気になる事について詳しく解説します。施設入所支援を利用したいと思っている方は、参考にしてみてくださいね。

施設入所支援とは



施設入所支援の法律定義


施設入所支援は障害者総合支援法に基づくもので、「施設入所の障害者に、主として夜間において、入浴、排泄、及び食事等の介護、生活等に関する相談及び助言、その他必要な日常生活上の世話を行う」と定義されています。

施設入所支援は、入所中の障害者に、夜間日常生活の介護、支援を行います。

施設入所支援は、入所中に夜間介護を受けられるサービス

日中はどうなるの?


日中は、就労移行支援事業、自立訓練、生活介護事業などを利用します。

ポイント
以前障害者が入所する施設は、入所厚生施設と呼ばれ、日中と夜間のサービスを総合的に行っていました。
しかし、適切な支援を受けられないケースが多かったため、現在では日中のサービスと夜間のサービスは分けて行うこととなっており、利用者が1日の中ですべての時間に必要なサービスを受けられるようになっています。

施設入所支援のサービスにはどのようなものがある?


施設入所支援のサービスは、施設入所者に対して、
①排泄、入浴、食事などの日常生活の介護・支援
②毎日の健康管理、医療機関との連携
②生活に関する相談や助言
を夜間に行います。

施設入所支援のサービスは、「夜間から早朝」に行う、時間が限定されたサービスです。
日中は、入所中の施設で提供されている活動系のサービスを利用したり、他施設で提供している支援を利用することもできます。

施設入所支援の利用対象者の条件


施設入所支援を利用できるのは、
18歳以上64歳以下で、家庭で介護を受けることが困難な障害のある方です。

具体的には、次のいずれかの条件に該当する方です。
①障害程度区分4以上(50歳以上は区分3以上)の方
②入所して、訓練等をすることが必要かつ効率的な自立訓練または就労移行支援を受けている方、または、地域における障害福祉サービスの提供体制の状況やその他やむをえない事情で通所による訓練などを受けることが困難な方
③別に厚生労働大臣が定める者のうち、区分3(50歳以上の場合は区分2)以下、もしくは区分1~6までのいずれも該当しないものまたは、自立支援訓練など、就労支援A型もしくは就労支援B型などを受ける方


実際利用しているのは?


実際に利用しているのは、重度知的障害の方、身体的障害がある方です。

こんな方におすすめ!施設入所支援のメリット



夜間に適切な介護を受けることができ、相談にものってくれる


重度障害のある方が、夜間帯に食事、入浴、排泄など日常生活の介護を受けることができるため安心した生活を送ることができます。

利用者本人の状態に合わせた、総合的なサービスが受けられる


夜間は施設入所支援、日中は活動系のサービスと総合的なサービスを受けられるため、利用者1人1人に合わせたサービスを受けることができます。

家族が安心できる


支える家族が高齢であったり、介護負担が大きい場合、施設に入所して夜間の介護を提供してくれるサービスは、安心できます。

施設入所支援で気になること


実際に施設入所支援を利用する上で、気になる点を解説します。

必要な費用は?


施設入所支援では、利用定員や障害の程度によって変わる施設入所支援サービス費用がかかります。  
その他、さまざまな加算の設定があり、その加算がかかる場合があります。

障害者福祉サービスでの費用は、原則として利用者が1割を負担し、残りの9割は市町村が負担します。
世帯の所得に応じて負担の上限度が設定されており、それ以上の負担がかかることはありません。

ひと月の利用者の負担は、低所得者は無料~一定以上の所得がある場合は37200円までと設定されています。

また、施設入所支援サービス費用以外で日用品費などは、利用者の実費負担となります。

事業を行っているのはどんなところ?


施設入所支援事業を行うには、医療法人、社会福祉法人、株式会社、合同会社、NPO法人など法人である必要があります。

どんなスタッフがいる?


施設入所支援を行う事業所には、施設長(管理者)、サービス管理責任者、生活支援員などがいます。
それぞれ事業規模によって配置人数が設定されています。
夜勤の職員は利用者の定員数によって1人から3人以上と配置されています。

施設入所支援定員は?


施設入所支援では定員が30人以上となっており、施設によって様々です。

施設入所支援ではどのような設備がある?


施設入所支援では、定員4人以下の居室、食堂、浴室、洗面所、居室のある階ごとに便所、相談室などの設備があり、それぞれ内容について規定されています。

施設入所支援はどうやって利用したらいい?


施設入所支援を利用したい場合の手続きについてご紹介します。
施設入所支援を利用するためには以下の手続きを行う必要があります。

①相談、申請をする
利用者の住民票がある市町村の障害サービス窓口や相談支援事業所に相談し、サービスを利用するための障害者福祉サービス受給者証申請を行います。

②障害程度区分の判定を受ける
市町村から現在の生活や障害、利用している福祉サービスについて調査があります。この調査結果から、審査・判定が行われ、福祉サービスがどのくらい必要なのか示した障害程度区分が決定されます。

③認定結果通知
認定結果が自宅に郵送されます。

④施設入所支援利用開始
施設入所支援が必要と認定された場合、相談支援事業所と共にサービス等利用計画書を作成し、事業所と契約を結んだのち、支援サービスを開始できるようになります。

施設入所支援事業所の探し方


施設入所支援事業所を探すには、お住まいの市町村の障害福祉課の窓口に、施設入所支援を受けたいことを相談するとよいでしょう。

事業所一覧やパンフレットを利用して、受けたいサービスについて教えてくれたりします。
また、障害福祉サービスの情報サイトから検索するなどして、直接事業所に問い合わせをする方法もあります。

施設入所支援を選ぶポイント


施設入所支援事業所を選ぶ際は、その事業所の設備や特色、理念などを確認するとよいでしょう。
重度障害の方が入所する場所ですので、心配な点は事前に市町村窓口や事業所に確認することをおすすめします。

施設入所支援は、施設によって施設環境や雰囲気などが違います。

実際の雰囲気を知っておくのはとても大切ですので、見学が可能であるか事業所に問い合わせてみましょう。専門的にどのようなサービスが受けられるのか、また事業所の雰囲気やスタッフの関係はどうなのか、など実際に事業所を訪問して確認するとよいでしょう。

実際に見学すると、施設の雰囲気や、スタッフの対応の仕方、利用者の様子を知ることができ、安心できます。

判断に迷ったときは、市町村の障害福祉の窓口や、障害福祉の専門家に相談してみることをおすすめします。

さらに、事業所にある他の社会福祉サービスに何があるかも確認しておくとよいでしょう。
福祉サービスが充実している事業所であれば、他に困ったことがあった場合でも適したサービスを紹介してくれます。

今回ご紹介した情報を参考に、利用者と家族が充実した生活を送ることができる支援をしてくれる施設入所支援を選んでいただければ幸いです。