UDフォントとは?特徴からおすすめのフォントまで詳しくご紹介

トピックス ユニバーサルデザイン UDフォント

今度不特定多数の人に対して配布するチラシのデザインを担当することになったけれど、年齢や障がいの有無に関わらず読みやすい文字のデザインは何かないか探しているという人はいませんか?
この記事ではそんな人に知ってほしい、UDフォントについて詳しく解説します。

UDフォントとは?


UDフォントとはUniversal Design Fontの頭文字を取った言葉で、ユニバーサルデザインに基づいたデザインのフォントを指します。
1985年にユニバーサルデザインを提唱したロナルド・メイスは、建築家、工業デザイナー、エンジニア、環境デザインの研究者などのグループと協力して、次の「ユニバーサルデザインの7原則」をまとめました。
原則1 誰にでも公平に利用できること
誰にでも利用できるように作られており、容易に入手できること
原則2 使う上で自由度が高いこと
使う人のさまざまな好みや能力に合うように作られていること
原則3 使い方が簡単ですぐわかること
使う人の経験や知識、言語能力、集中力に関係なく使い方がわかりやすく作られていること
原則4 必要な情報がすぐに理解できること
使用状況、視覚、聴覚など使う人の感覚能力に関係なく必要な情報が効果的に伝わるように作られていること
原則5 うっかりミスや危険につながらないデザインであること
うっかりしたり、意図しない行動を取ったりしたことが危険や思わぬ結果につながらないデザインであること
原則6 無理な姿勢を取ることなく少ない力でも楽に使えること
効率良く、気持ちよく、疲れずに使えること
原則6 アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること
どんな体格や姿勢、移動能力の人にもアクセスや操作がしやすいスペースや大きさにすること
これらユニバーサルデザインの7原則に即して作られたフォントがUDフォントだというわけです。

UDフォントの特徴とは?


UDフォントには、次のような特徴があります。
  • 均一な太さの線でできている
  • 装飾で文字を誤認しないように配慮する
  • 濁点や半濁点は大きくして極端に文字にかぶらないようにする
  • 「6」「8」のように線が離れている部分で文字を区別する場合は線を明確に離す
  • 直感的に認識しやすくなるため形を手書きの文字に近づける
  • まぎらわしい画線をなくしてシンプルなデザインの文字にする
  • 「9」と「6」のように点対称の文字同士は違いがはっきりわかるようにする
  • コピーやFAX送信で文字がつぶれてしまった場合も想定して文字の中の隙間を広めに取る

  • UDフォントは年齢・性別・障がいなどに関係なく、見間違いを起こさず正確に認識しやすいように配慮されているのが特徴的だと言えるでしょう。

    UDフォントのおすすめメーカー


    UDフォントの取り扱いメーカーの中から、おすすめのメーカーを3つご紹介します。

    モリサワ


    モリサワは「UD書体」というUDフォントを取り扱っていますが、このUD書体は次の3つのコンセプトの基に開発されました。
    • 文字の形がわかりやすいこと
    • 文章が読みやすいこと
    • 読み間違えにくいこと

    小サイズで全ての文字が問題なく判別できることを基準とする一方で、文字の美しさも損なわないようデザイナーによってバランス調整をされたことが特徴的だと言えるでしょう。
    現在ではユニバーサルデザインに対応した明朝体「UD黎ミン」、ゴシック体「UD新ゴ」「UD新ゴNT」、丸ゴシック体「UD新丸ゴ」の4種24書体が完成し、さまざまなシーンで活用されています。
    参考:モリサワ「UD書体」

    イワタ


    イワタでは2006年よりユニバーサルデザインの視点に基づいた「イワタUDフォント」を販売しています。
    イワタUDフォントは読みやすく、誤読されにくいをコンセプトに、次の4つの観点から開発されました。
    • 文字1つ1つの構成要素を視認しやすくする「視認性」
    • 誤読しにくく他の文字との判別をしやすくする「判読性」
    • シンプルさ、美しさ、整理、整合性を持つ「デザイン性」
    • 文字列としての単語や文章の読みやすさである「可読性」

    イワタUDフォントは独立行政法人情報通信機構が提供する「情報バリアフリーのための情報提供サイト」で開発の経緯が紹介されるなど、その認知度がさらに高まってきています。
    参考:イワタ「イワタUDフォントとは」

    モトヤ


    モトヤの「モトヤUD対応フォント」は大文字化対応や太さの調整、シンプルな文字構成で通常のフォントより可読性・視認性・判読性に優れているのが特徴的だと言えるでしょう。
    モトヤUD対応フォントは医療・介護分野で多く採用されており、これからの高齢化社会に対応できるUDフォントとして注目を集めています。
    参考:MOTOYA FONT「UD対応フォント」

    まとめ


    UDフォントとはユニバーサルデザインに基づいたデザインのフォントを指し、年齢・性別・障がいなどに関係なく、見間違いを起こさず正確に認識しやすいように配慮されているのが特徴的だと言えるでしょう。
    この記事も参考にして、ぜひデザインに積極的にUDフォントを取り入れてみてください。