自社の障がい者雇用をもっと進めるため、柔軟な働き方へのニーズにも対応していきたいけれど、何から始めたら良いのかよくわからず悩んでいる人はいませんか?
この記事ではそんな人に知ってほしい、障がい者のサテライトオフィスについて詳しく解説します。
障がい者のサテライトオフィスとは?
障がい者のサテライトオフィスとは本社や支社といった拠点とは別に設置された障がい者向けのオフィスのことです。
2019年4月から開始された働き方改革に伴うテレワークの1つの形態として、また2021年に改正された障害者差別解消法の第8条で義務付けられている、合理的配慮の提供をしやすくすることを背景として導入が進んできているのが特徴的だと言えるでしょう。
参考:e-GOV法令検索「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」
障がい者のサテライトオフィスのメリット
障がい者のサテライトオフィスには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
企業と障がい者、双方の視点からご紹介します。
企業のメリット
企業が障がい者のサテライトオフィスを作るメリットは次の通りです。
- 家賃など事務所の維持にかかる費用を削減できる
- 災害時のリスクを分散できる(障がい者の帰宅難民化や避難もれを防止できる)
- ワークライフバランスが高まることにより従業員満足度を向上させられる
- 生産性が向上する
- 有能な人材や多様な人材を確保できる
- 離職率を下げられる
- 雇用チャネルやエリアを拡大できる
- 障がい者を雇用する上での合理的配慮や環境への対策(音、光、におい、接触など)をしやすくなる
特に雇用チャネルやエリアの拡大については、今まではオフィスに通うことができる人材を採用していたのが、地方在住の人材や都市部でもサテライトオフィスに通える人材なら採用することができるようになるため、企業にとって良い人材を確保するチャンスが増えるでしょう。
障がい者のメリット
障がい者がサテライトオフィスで働くメリットは次の通りです。
- 通勤にかかる負担が軽減される
- 通院しながら働くことができる
- 居住地による不利益を受けにくくなる
- 業務に集中しやすくなる
- 障がい特性により一般のオフィスで働くのが難しい場合でも就業できる
特にサテライトオフィスは比較的小さなスペースであるため、障がい者があまり周囲の環境や人に気を使うことなく働くことができます。
参考:厚生労働省「事業主の方へ」
障がい者のサテライトオフィス導入に使うことのできる助成金について
自社の障がい者雇用を促進するため、企業にとっても障がい者にとってもメリットの大きいサテライトオフィスをぜひ立ち上げたいと思っているけれど、初めての取り組みなのでノウハウや資金面で自信がないという人も多いのではないでしょうか。
このような時におすすめしたいのが助成金の活用です。
令和3・4年度における申請の受付は終了していますが、公益財団法人東京しごと財団では「テレワーク活用による障害者雇用促進事業」を行っていました。
この事業を障がい者のテレワーク(在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務)を始める中小企業や中堅企業が利用すると、ナビゲーターが訪問し採用・導入から運用・定着まで一貫した支援をしてもらえます。
また障がい者がテレワークをする上での環境を整えるために使用する、テレワーク機器などの導入経費に対して助成金をもらうこともできるのです。
テレワーク活用による障害者雇用促進事業の概要は次の通りです。
項目 | 概要 |
---|---|
対象企業 | |
支援を受けられる期間 | |
助成金 |
来年度に同じ仕様の事業を行うかはまだ不明ですが、もし障がい者のサテライトオフィスの導入を考えているなら、使うことのできる補助金や助成金を年度の始めに探してみるのがおすすめです。
参考:公益財団法人東京しごと財団「テレワーク活用による障害者雇用促進事業(令和3・4年度)」
まとめ
障がい者のサテライトオフィスとは本社や支社といった拠点とは別に設置された障がい者向けのオフィスのことで、企業にとっては雇用チャネルやエリアの拡大、障がい者にとっては通勤負担の軽減などたくさんのメリットがあります。
障がい者雇用をスムーズに進めるためにも、この記事も参考にしてぜひ障がい者のサテライトオフィスを積極的に導入してみてください。