計画相談支援とは？利用条件と費用等気になることを解説
計画相談支援とは、障害福祉サービスの計画案を作成したり、作成した計画が利用者にとって適したものであるかを確認し、支援するサービスです。
この記事では、計画相談支援の法律での定義、利用条件、費用など、気になる事について詳しく解説します。計画相談支援を利用したいと思っている方は、参考にしてみてくださいね。
計画相談支援とは
計画相談支援の法律定義
計画相談支援は、障害者総合福祉法で「障がい福祉サービスを適切に利用できるよう、利用するサービスの種類などを定めたサービス等利用計画書の作成や事業者との連絡調整などを行う」と定義されています。
計画相談支援とは、市区町村から指定された「指定特定相談支援事業者が提供する、サービスのことです。
障害福祉サービスを利用するためには、サービス等利用計画が必要となりますが、
計画相談支援では、この計画案を作成したり、作成した計画が利用者にとって適したものであるかを都度確認を行っています。
サービス等利用計画とは？
サービス等利用計画とは、障害福祉サービスを利用することが決まった方が、実際にサービスを受ける際に必要となるサービス表のことです。
地域社会で、日常生活を行っていく上で必要となるサービスを受けられるために作られます。
計画相談支援は2種類
計画相談支援では、①サービス利用支援②継続サービス利用支援の2種類があります。
①サービス利用支援
サービス利用支援とは、障害福祉サービスの利用希望者に、どのような障害福祉サービスを行うのがよいのかをマネジメントすることをいいます。
障害福祉サービスを利用する場合、利用希望者が自治体へ利用申請を行います。
その際、サービス等利用計画の作成を必ず行う必要があるため、計画相談支援では、支給の決定前にサービス等利用計画案を作成します。
支給が決定されると、サービス利用事業者などと連絡調整を行い、サービス等利用計画を作成し、利用者がサービスを開始できるよう支援します。
サービス利用支援では、利用者や家族の希望を確認した上で、利用者が自立した生活を送るためにどのようなサービスを提供するのがよいかを考えサービス提供へとつなげていきます。
サービス利用支援のサービス内容
サービス利用支援のサービス内容としては、次のことがあげられます。
・障害福祉サービス利用申請時に必要な、サービス等利用計画案の作成
・障害福祉サービス利用決定後、実際のサービス利用にむけた連絡調整
・サービス等利用計画の作成
②継続サービス利用支援
継続サービス利用とは、利用中の障害福祉サービスなどのモニタリング（利用状況の検証）を行い、計画の見直しや、事業者や家族との連絡調整などを行い、継続してサービスが利用できるよう支援することです。
障害福祉サービスを利用する際、利用者にとってそのサービスが適切であったかを常に確認する必要があります。必要であれば、サービス内容の見直しや修正を行わなければなりません。
後継サービス利用支援では、作成したサービス等利用計画が利用者にとって適切なものであったかを評価見直し、必要であれば他のサービスへ修正などを行います。
他に、モニタリングを行った際、あらたに他の障害福祉サービスを受けるために支給決定を行う必要がある場合には、申請をすすめていきます。
後継サービス利用支援のサービス内容
後継サービス利用支援のサービス内容である、モニタリングは次のように計画見直しの期間が設定されています。
・新規の障害福祉サービス利用者またはサービス内容に著しい変化があった利用者→利用開始から、3か月間、毎月実施
・在宅の障害福祉サービス利用者（障害通所支援を含む）または、地域定着支援利用者
→状況により毎月実施または、6か月に１回実施
・障害者支援施設の入所者→1年ごとに1回実施
・地域移行支援利用者→6か月ごとに1回実施
計画相談支援を利用できる対象者
計画相談支援を利用できるのは、障害福祉サービスを利用するすべての方です。
こんな方におすすめ！計画相談支援のメリット
サービス等利用計画を立ててくれる
障害者福祉サービスを利用するには、サービス等利用計画が必要となります。この計画は計画支援事業者が必ず作成しないといけないわけではなく、利用者が自分で作成することもできます。
しかし、障害者福祉サービスには様々なものがあり、その情報を把握しサービスを計画していくのは大変です。
計画相談支援を利用すると、障害者福祉サービスなどの情報に熟知している計画相談事業者が、利用者・家族の希望を確認しながら、利用者にとって最適なサービス計画をたてることができます。
悩みや相談にのってくれる
計画相談支援事業者は利用者や家族にとって身近な存在です。
計画相談支援事業者は、サービスなどについての悩みや相談にのってくれる頼れる存在です。
連絡調整をしてくれる
多種の障害福祉サービスを利用した場合、利用者の状況について連携期間で情報を共有する必要があります。
計画相談支援事業者は、各サービス事業者への架け橋となり、連絡調整を行ってくれます。
障害福祉サービスなどを紹介してくれる
計画相談支援事業者は、利用者に最適な障害福祉サービスの情報を提供してくれます。
計画相談支援で気になること
実際に計画相談支援を利用する上で、気になる点を解説します。
事業を行っているのはどんなところ？
計画相談支援を行う事業所は、社会福祉法人、合同会社、NPO法人、株式会社など法人格をもつ必要があります。
どんなスタッフがいる？
計画相談支援を行う事業所には、管理者、相談支援専門員がいます。
それぞれ基準で配置人数が決められています。
利用料金は？
計画相談支援の利用者負担料金はありません。
利用者は、料金を無料で利用できます。
計画相談支援でサービス計画作成でかかった費用などは、事業所側に対して計画相談支援給付金が支払われます。
計画相談支援はどうやって利用したらいい？
計画相談支援を利用する方法についてお伝えします。
①相談支援事業所と契約する
計画相談支援を利用したい場合、利用者自身でどの相談支援事業所にするか選び、契約を結ぶことができます。
どの事業所にしたらよいかわからない場合は、市町村の障害者窓口、インターネットなどを利用するとよいでしょう。
②サービス等利用計画の作成
相談支援事業所と契約した後、相談支援員が面接を行い、利用者や家族の状況などについて詳しく聞き取りをおこないます。
その聞き取った情報をもとに、サービス等利用計画が作成されます。
③申請
サービス等利用計画を市町村に提出し、サービス受給を申請します。
④サービス利用開始
受給者証を受け取ると、作成したサービス等利用計画に沿った、希望する障害福祉サービスの利用が開始されます。
⑤定期的なモニタリング
障害福祉サービス開始後も、サービスの利用状況などを確認し一定の期間でサービスの見直しや修正が行われます（モニタリング）
計画相談支援を選ぶポイント
計画相談支援を選ぶ際は、できるだけ利用者が今いるところから近い場所の相談支援事業所を選ぶとよいでしょう。
近い方が、何かあった際にすぐに対応してもらえます。
相談支援事業所の設備や理念、特色、どんな職員がいるか、どのような支援を行っているかを確認するとよいでしょう。
また事業所の雰囲気やスタッフの関係はどうなのか、どのような方が利用されているのかなど、実際に事業所の見学や訪問を通して感じることも大切です。
さらに、事業所にある他の社会福祉サービスに何があるかも確認しておくとよいでしょう。
福祉サービスが充実している事業所であれば、他に困ったことがあった場合でも適したサービスを紹介してくれます。
今回ご紹介した情報を参考に、障害福祉サービスを受ける支援をしてくれる、相談支援事業所を選んでいただければ幸いです。