私たちは、基本的に国民健康保険や社会保険に加入しています。さらに、任意で民間の生命保険や医療保険、損害保険などに入っている人も多いですよね。通常、保険に加入する際には、現在の健康状態や過去の病歴などを、保険会社に告知する義務があります。
しかし、障がいがあると、場合によっては保険契約を断られてしまうこともありえます。保険に入れない、というのは自分にもしものことがあったときのことを考えると、不安になってしまいますよね。
でも、障がい者でも加入できる保険はあります。今回は、障がいのある方でも入りやすい保険について解説します。
また、国の障がい者向け医療支援についても触れているので、ぜひ最後までお読みください。
障がいがあっても入れる「引受基準緩和型保険」
「引受基準緩和型医療保険」とは、加入時の条件を通常の医療保険よりも緩和した医療保険です。保険に加入する際の健康告知の内容もシンプルで、概ね3つ~5つの項目をクリアすると原則加入できます。
そのため、持病や障がいがあったり、入院歴があったりした場合でも加入しやすい医療保険です。
引受基準緩和型医療保険の内容は?
引受基準緩和型医療保険の保障内容は、通常の医療保険と同じく入院給付金と手術給付金が基本保障となります。加入前の持病や既往症が悪化して入院や手術を受けた場合でも、保障されることがあります。
保険商品によっては、契約後の一定期間は入院や手術の際の給付金が半額となり、一定期間後は満額の給付金が受けられるという仕組みになっています。
引受基準緩和型医療保険の加入要件
引受基準緩和型医療保険の加入時の条件は、保険会社や保険商品により異なりますが、いくつかの健康告知項目の全てにあてはまらないことです。
たとえば、
・最近3カ月以内に、医師に入院・手術・先進医療をすすめられたことがある。
・過去2年以内に、入院したこと、または手術を受けたことがある。
・過去5年以内に、がんや肝硬変・統合失調症・認知症で、医師の診察(検査・治療・投薬を含む)を受けたことがある。
などが挙げられます。
注意点として、「過去○カ月」や「過去○年」という年数等や病気の種類は、保険会社によって異なるという点や、引受基準緩和型といっても対象から精神障がい者を除外している場合があります。うつ病や統合失調症といった精神疾患だと加入できない場合があるというわけですね。
国の医療支援なら自立支援医療
自立支援医療は、精神疾患の治療のために精神科や心療内科に定期的・継続的に通院している場合、かかった医療費を補助してもらえる制度です。通院による医療費が対象(外来、外来での投薬、デイケア、訪問看護等が含まれます)で、入院医療費は適用になりません。
健康保険に加入していると、医療機関で支払う医療費の自己負担は3割です。しかし、自立支援医療制度を使うと自己負担が1割になります(自治体によっては、この自己負担分も負担してくれるところがあります)。
自立支援医療の支援内容
自立支援医療手帳を医療機関の窓口に提示することで、精神疾患治療のための精神科や心療内科での窓口負担が1割になります。さらに、本人の所得に応じて、毎月の自己負担額に上限が設けられています。
自立支援医療の相談先・申請先
自立支援医療の申し込みはお住まいの自治体の障がい福祉関係の部署です。市区町村の担当窓口で利用する本人が申請します。自治体によって名称が異なるため「自立支援医療の申請をしたい」と総合窓口にお問い合わせください。