障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由とは?

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障がいを持つ家族がいるため、障がい者手帳と障がい年金を申請したら、等級に違いがあったけれど、これはなぜなのだろうと疑問に感じている人はいませんか?
この記事では障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由について詳しく解説します。

障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由とは?


障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由を3つご紹介します。

根拠となる法律に違いがあるため


障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由の1つめは、根拠となる法律に違いがあるためです。
それぞれの根拠となる法律を表にまとめてみました。
種類項目法律
障がい者手帳身体障がい者手帳身体障害者福祉法施行規則 別表第5号
療育手帳療育手帳制度について(昭和48年9月27日厚生省発児第156号厚生事務次官通知)
精神障害者保険福祉手帳精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条
厚生労働省保健医療局長通知「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」
障がい者年金障がい基礎年金国民年金法第30条「障害基礎年金 支給要件」
障がい厚生年金厚生年金保険法第47条「障害厚生年金及び障害手当金 障害厚生年金の受給権者」

これらは身体障害者福祉法、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律、国民年金法、厚生年金保険法といったそれぞれ別々の法律に基づいて審査や支給が行われているということを指すので、障がい者手帳と障がい年金では等級に違いが出て来るのです。
参考:e-GOV法令検索「国民年金法」
参考:e-GOV法令検索「厚生年金保険法」
参考:e-GOV法令検索「身体障害者福祉法施行規則」
参考:e-GOV法令検索「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」

等級の基準が異なるため


障がい者手帳と障がい年金では、それぞれ等級の基準が異なります。
それぞれの根拠となる基準を表にまとめてみました。
種類項目法律
障がい者手帳身体障がい者手帳身体障害者福祉法施行規則 別表第5号「身体障害者障害程度等級表」
療育手帳厚生労働省「療育手帳制度の実施について」
精神障害者保険福祉手帳厚生労働省「精神障害者保険福祉手帳障害等級判定基準」
障がい者年金障がい基礎年金・障がい厚生年金日本年金機構「障害等級表」

また障がい年金における視力の基準は次の通りです。
・両眼の視力がそれぞれ0.07以下
・一眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下
これらは数値がはっきり異なっているため違いがわかりやすい事例ですが、他の障がいにおいても基準はそれぞれ異なることを覚えておきましょう。

審査を行う機関が異なる


障がい者手帳と障がい年金では、障がいの程度の審査を行う機関が違います。
障がい者手帳では市町村、障がい年金は国の機関である日本年金機構がそれぞれ審査を行うのです。
参考:厚生労働省「障害者手帳」
参考:日本年金機構「障害年金の制度」

等級の違いによって抱えやすい疑問とその解決方法


障がい者手帳と障がい年金の等級が異なることによって抱えやすい疑問と、その解決方法を3つご紹介します。

障がい者手帳の等級が低いと障がい年金はもらえない?


障がい者手帳の等級が低いと、障がい年金がもらえないと決めつけてしまう人がいますが、これは必ずしもそうではありません。
前の項目でご紹介した通り、等級の基準と審査機関が異なるため、まずは審査を受けないとともらえるかどうかははっきりとはわからないということです。
思い込みで障がい年金の受給をあきらめず、まずは審査を受けましょう。

障がい者手帳と障がい年金は同時申請しなければならない?


障がい者手帳と障がい年金は同時に申請しなければならないと考えている人がいますが、これらは前の項目でもご紹介した通り、全く別の制度です。
そのため、どちらかを申請したからといってもう片方も申請しなければならないといった強制力はないことを覚えておきましょう。

障がい者手帳を持っていないと等級がついていないので障がい年金の申請はできない?


障がい者手帳を持っていないと等級がついていないので、障がい年金の申請ができないと考えている人がいますが、2つは別の制度です。
障がい者手帳の有無に関わらず障がい年金の申請はすることができるので、必要のある場合はまず申請し、審査を受けましょう。

まとめ


障がい者手帳と障がい年金の等級が異なる理由は次の3つです。
・根拠となる法律に違いがあるため
・等級の基準が異なるため
・審査を行う機関が異なるため

障がい者手帳と障がい年金は異なる制度であるということを理解し、それぞれを必要とするタイミングで申請を行ってみてください。