障がい者に人気の職業とは?就職に役立つ資格やスキルもご紹介

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障がい者雇用で将来は就職をしたいと考えているので、人気の職業や就職に役立つ資格やスキルを知って参考にしたいと考えている人はいませんか?

この記事では障がい者の人に人気の職業から就職に役立つ資格やスキルまで詳しく解説します。

障がい者の人に人気の職業とは?



2020年9月~10月にテレワークとサテライトオフィスを利用した新しい障害者雇用を考える会が障がいを持つ人56名を対象に行った「障がい者就労希望調査アンケート」ではやってみたい職種の1位が「事務職」で28名、2位が「技術職」で20名という結果でした。

また2016年10月に島根県健康福祉部障がい福祉課が島根県在住の障がい者980名を対象に行った「仕事に関するアンケート調査」の結果では障がい者本人がやりたいと思っている仕事の1位が「清掃」で83名、2位が「その他(漫画家、牧場、調理、自動車関係など)」で71名、3位が「事務」で63名という結果だったのです。

これらの結果から障がい者に人気の高い職業は事務職、技術職、清掃業、自営業だとわかります。

それぞれの職業の特徴と取得しておくと役立つ資格について説明します。

参考:テレワークとサテライトオフィスを利用した新しい障害者雇用を考える会「障害者就労希望調査アンケート結果のご報告」
参考:島根県健康福祉部障がい福祉課「仕事に関するアンケート調査報告書」

事務職


障がい者にとても人気の高い事務職ですが、職務によって仕事の内容や役立つ資格が分かれているのでそれぞれ表にまとめてみました。
事務職の種類職務役に立つ資格
一般事務・書類作成・MOS
OA事務・ファイリング
・データ入力
・郵便物の発送と仕分け
・備品管理と発注
・電話とメール応対
・来客応対
・日商PC検定
・秘書検定
営業事務・書類作成
・ファイリング
・データ入力
・商品管理と発注
・顧客情報の管理
・電話とメール応対
・来客応対
・MOS
・日商PC検定
・秘書検定
経理事務・伝票起票とその整理
・仕訳入力
・現預金管理
・経費処理
・月次と年次の決算
・日商簿記検定
・MOS
法務事務・個人情報保護契約や業務委託契約など各種契約書の作成やチェック
・Webサイトの規約作成や改編
・登記簿謄本や印鑑証明書の取得
・コンプライアンスに関する書類の作成
・電話対応
・MOS
貿易事務・貿易書類の作成と処理
・輸送手配
・通関手配
・出荷・納品管理
・電話とメール応対
・来客応対
・TOEIC
・MOS
・貿易実務検定
・通関士試験
医療事務・受付業務
・会計業務
・レセプト業務
・クラーク業務
・医療事務資格
・医療事務技能審査試験(メディカルクラーク(R))
・診療報酬請求事務能力検定試験


同じ事務職とは言っても幅が広く資格を取得することでキャリアアップにもつながることから、障がい者の人は自分の障がい特性とも照らし合わせて、どのような事務が向いているのかを将来性も含めて考えてみるとよいでしょう。

技術職


技術職の求人は、おおまかに次の5種類に分かれています。
技術職の種類職務役に立つ資格
生産技術製造業における生産ラインの設計・管理・TOEIC
・CAD利用技術者試験
・管工事施工管理技士
設計・開発商品の設計図作成・CAD利用技術者試験
品質保証商品の検品や生産工程の管理・品質管理検定
技術営業技術的な専門知識を活かした企画提案営業・TOEIC
技術補助設計・開発や生産技術の補助業務


技術職の求人をかけるのは大企業であることが多く、また高い技術を必要とする場合から未経験でも応募可能な場合もあり幅が広いため、自分に合った仕事の環境を探しやすいと言えるのではないでしょうか。

清掃業


オフィスや工場、施設などの清掃を行う仕事ですが、職務としてはモップや掃除機を使った清掃、窓ふき、ごみの回収、トイレ清掃などがあります。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営する障害者雇用事例リファレンスサービスの合理的配慮事例にも、清掃業務を行う会社での事例が複数掲載されているため、合理的配慮を受けやすい業種であると言えるでしょう。

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 障害者雇用事例リファレンスサービス「精神障害者の清掃業務における合理的配慮事例」

自営業


障がい者の人で自営業として独立を希望する人は少なくありませんが、どのような職種を選ぶと安定した稼ぎが得られるのでしょうか。

2020年に情報処理推進機構が発表した「IT人材白書2020」では2015年から2019年にかけて企業のIT人材の「量」についての過不足感について調査をしましたが、2015年は「大幅に不足している」と回答した企業が20.5%だったのに対して2019年では33.0%と大幅に増加しているのです。

このことから、新しい生活様式に合わせるために加速するデジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が人々の生活を良い方向に進化させること)の動きを捉えて働くことのできるIT人材として独立すると、企業からのニーズに応えられる人材が不足していることから、安定した収入を得られる可能性が高まるでしょう。

参考:情報処理推進機構「IT人材白書」

まとめ



障がい者に人気の職業は次の4つです。
・事務職
・技術職
・清掃業
・自営業

自分に合った環境で働けることや、合理的配慮を受けやすいことから人気が高いのですが、仕事の内容について詳しく情報収集し、自分の障害特性とも照らし合わせて将来性も踏まえた職業選びをするよう心がけましょう。