障害者総合支援法におけるサービス利用の手続きが済んだので、障害福祉サービス事業所を利用したいと考えているけれど、自分に合った事業所をどのように探したらよいのかよくわからないと悩んでいる人はいませんか?
この記事では障害福祉サービス事業所の現状から、検索システムを利用した効率の良い選び方まで詳しくご紹介します。
障害福祉サービス事業所の現状とは?
2020年に厚生労働省が発表した「令和2年社会福祉施設等調査の概況」によると障害福祉サービス事業所と障害児通所支援事業所の中で最も多いのは「居宅介護事業」で23,741 事業所あり、前年に比べ643事業所、2.8%増加しているとわかりました。
また同行援護事業、自立訓練(機能訓練)事業、就労移行支援事業以外全ての事業において事業所数が増加しており、障がい者のニーズに合った障害福祉サービス事業所を選ぶことができるようになった反面、選び方が難しくなってきていると言えるでしょう。
参考:厚生労働省「令和2年社会福祉施設等調査の概況」
障害福祉サービス事業所の選び方
年々増加傾向にある障害福祉サービス事業所の中から、ニーズに合った事業所を選ぶには、どのような選び方をするのが望ましいのでしょうか。
3つご紹介します。
WAM NETを活用する
独立行政法人福祉医療機構が提供する「WAM NET」では全国の障害福祉サービス等の情報検索を行うことができます。
WAM NETでは次の5つの方法で障害福祉サービス事業所を検索することができます。
- 地域から探す(トップページに掲載されている地図の都道府県名をクリックする)
- 住所から探す
- 法人名から探す
- 事業所名から探す
- 事業所番号から探す
検索できた事業所の「詳細情報」をクリックすると事業の種類、運営する法人の連絡先、従業員、サービス内容、利用料金、事業所運営に関する情報をタブで切り替えて確認することができますが、内容は全てテキストと地図による情報です。
そのため自分のニーズに合う可能性のある事業所の候補をWAM NETでいくつか検索し、掲載されているホームページへのリンクから画像や動画を見た後に雰囲気の合いそうな事業所に問い合わせをしてみるのが望ましいのではないでしょうか。
参考:独立行政法人福祉医療機構「WAM NET」
各地方自治体の検索システムを活用する
各地方自治体では、独自に障害福祉サービス事業所の検索システムを設けている場合があります。
「障害福祉サービス事業所検索 地域名」などで検索をかけるとアクセスしやすいでしょう。
例えば東京都の場合、東京都保健福祉局が提供する「東京都障害者サービス情報」で障害福祉サービス事業所の情報を検索することができます。
「東京都障害者サービス情報」では事業の種類、事業所所在地を検索条件として指定することで、障害福祉サービス事業所を検索でき、詳細情報としてその事業所の基本情報、サービス内容、加算情報、併設サービスを確認することができます。
しかし画像や動画はなく、ホームページへのリンクがない場合も多いことから改めて候補となる事業所のホームページを検索し、追加で情報収集するのが望ましいでしょう。
参考:東京都保健福祉局「東京都障害者サービス情報」
地域の相談窓口で相談する
地方自治体には、障がい者福祉に関する相談窓口が開設されています。
「障がい者福祉 相談窓口 地域名」などで検索すると場所や連絡先を見つけやすいでしょう。
例えば東京都の場合、東京都保健福祉局に相談窓口の一覧表が掲載されているため、トップページの「問合せ」タブをクリックすると「問合せ先検索」から相談したい内容に応じて適切な相談先を検索することができます。
詳細には連絡先や相談方法(電話、メールなど)の記載もあるため、それに従って相談先へ連絡するとスムーズに障害福祉サービス事業所の選び方について相談ができるでしょう。
また事前に前項目でご紹介したWAM NETや地方自治体の検索システムを用いて、地域の障害福祉サービス事業所の中から自分のニーズに合いそうな先をピックアップしておくのもおすすめです。
現状では相談後、1~2カ所の障害福祉サービス事業所だけを見学して決めてしまう人も多いようですが、ミスマッチを防ぐためにも事前の見学には積極的に足を運んだ方が良いでしょう。
参考:東京都保健福祉局「問合せ」
まとめ
障害福祉サービス事業所の数は増加傾向にあるため、障がい者のニーズに合った障害福祉サービス事業所を選ぶことができるようになった反面、選び方が難しくなってきていると言えます。
そのため次の3つの方法で障害福祉サービス事業所を探してみるのがおすすめです。
- WAM NETを活用してあらかじめ情報収集する
- 地方自治体の検索システムを活用して情報収集する
- いくつかの候補を決めたら地域の相談窓口で相談し、複数の事業所を見学する
少し手間がかかりますが、気持ちよく利用できる障害福祉サービス事業所を見つけるためにも積極的に情報収集と見学に取り組んでみてください。